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WORKS REVIEW
REPORT

人事放送局

2020.08.04

人事放送局 Part2
「通年採用を進めるにあたり必要な工夫|ソフトバンク×AGC」

出演者

HRエグゼクティブコンソーシアム 代表

楠田 祐

NECなど東証一部エレクトロニクス関連企業3社の社員を経験した後にベンチャー企業社長を10年経験。中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)客員教授を7年経験した後、2017年4月よりHRエグゼクティブコンソーシアム代表に就任。2009年より年間数百社の人事部門を訪問し続け、人事部門の役割と人事のキャリアについて研究。シンガーソングライターとしてもプロ活動している。
◇主な著書
「破壊と創造の人事」(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)2011年は、Amazonのランキング会社経営部門4位(2011年6月21日)を獲得した。最新の著書は「内定力2017~就活生が知っておきたい企業の『採用基準』」(出版:マイナビ)

ソフトバンク株式会社
人事本部 副本部長

源田 泰之 氏

1998年入社。営業を経験後、2008年より人材開発部長、2019年より現職。新卒及び中途採用全体の責任者。グループ社員向けの研修機関であるソフトバンクユニバーシティおよび後継者育成機関のソフトバンクアカデミア、新規事業提案制度(SBイノベンチャー)の責任者。ソフトバンクグループ株式会社・人事部アカデミア推進グループ、SBイノベンチャー・取締役を務める。孫正義氏が私財を投じ設立した、公益財団法人 孫正義育英財団の事務局長。採用では地方創生インターンなどユニークな制度を構築。幅広い分野で活躍する若手人材と、企業の枠を超え、国内外問わず交流を持つ。教育機関でのキャリア講義や人材育成の講演実績など多数。

AGC株式会社
人事部 人財開発グループ
採用チームリーダー

高橋 健 氏

早稲田大学教育学部卒。消費財メーカーを経て2006年AGC株式会社に入社。工場拠点における人事総務を経験後、コーポレート人事部にて全社的な人事労政企画に従事したのち、2019年から採用チームリーダーとして新卒・キャリア採用を統括。多様な人財が活躍できる採用の仕組みづくりを目指し、挑戦を続けている。

株式会社ワークス・ジャパン
常務取締役

大川 道孝

金融機関に新卒入社後、経営企画など主に経営戦略業務を行う。その後、ディジットブレーン(旧文化放送ブレーン)入社。新卒採用、中途採用広報事業部門の執行役員。2011年、ワークス・ジャパンに入社し、採用支援システムやイベント事業を統括。2013年に取締役就任。現在は、採用事業全般を統括。

通年採用を進めるにあたり必要な工夫

楠田 通年採用の工夫についてお話しください。

源田 通年採用始めた理由は、ソフトバンクに優秀な人材を取るため門戸を広げようという裏側の意図もありますが、学生にとって就職活動が環境によって不利にならないようにしたいのが本来の目的です。学生にとって良い採用をしたい、学生が採用における顧客だと思っているので、顧客にとってより良い状態を作りたいと思ってスタートしました。留学等の問題で、一定の時期に就職活動が上手くいかなかったら就職留年する人達を多く見てきました。その人達に対して、年間を通してその人の状況の良い時に就職活動を受けたいというのがスタートの考え方になっているため、困っている学生に対してきちんとアプローチをしていこうというのが工夫と思っています。

楠田 学生の個に寄り添うことを心掛けて、様々な施策を打っているということですね。ワークス・ジャパンさんでは大企業に対して採用活動のツール制作やシステム導入等、色々なことをされていますが、どのような工夫をしていく必要性があると思いますか。

大川 通年採用で、採用活動自体が幅を持って自由に採用活動ができるようになると、対象となる学生の幅も増えていきます。例えばファストファッションの会社は大学1年生から応募が可能で、不合格になっても合格できるまで選考を受けられるようにされています。そういったときに、学生さんとのお会いした履歴を管理する仕組みを持つという工夫は間違いなく必要になってくると思います。そういったご相談は昨年から非常に多くなっており、今までは倫理憲章があって、学生を管理する仕組みを年度・年次ごとに分けるルールがありましたが、それがほぼ撤廃されたことによって、大学1年生から自社に接点を持った学生の履歴をとっていって、幅のある活動をするためのデータベースを作る工夫は、間違いなく必要だと思います。

楠田 急激に学生もタレントマネジメントしていく風潮が出てきているように思います。ダイレクトリクルーティングやOB訪問をする中で、大学一年生からキャリア意識の高い方が増えているので、そういった方たちをきちんと管理していく、タレントとしてプールしていく時代になっていくのではないかと思います。新入社員ではないのですが、アメリカのシアトルにあるボーイング社が世界でもいち早く取り組んていると感じています。求人がなくともオンラインで毎日面接しながら希望者をプールしています。新卒向けのダイレクトリクルーティングも最近多く出てきているので、良い学生はこっちから手を差し伸べて、プールしていくというやり方に少しずつ変わってきていると思います。

源田 数年前までは対人が強く、この人と働きたいと思う人材を引き付けるような人材はこれも今では重要ですが、それにプラスしてクリエイターとデータサイエンティストが採用チームに必要だとずっと言ってきました。もちろん顧客となる学生が見たいと思うような、クリエイティブな販促物やホームページを作れるかどうかが、非常に採用にとって重要だと言っていましたが、今まさにすごく重要だと思うのは最新のテクノロジーを使ってデータの分析をしてより良い採用していくということで、リサーチャー、タレントプールやタレントマネジメントをダイレクトツールから掘ってこれて、キープして人と繋がっていられる人の重要性はこれからもっともっと増してくると思います。ソフトバンクでは昨年の中途採用で400人程採用していますが、エージェント比率は半分以下に抑えています。良い人に来ていただくということしか考えていないので、ダイレクト、リファラルで結果的に半分以下になりましたが、その時にダイレクトツールを使ったタレントプール・マネジメントやそういった発掘ができる人がすごく重要だな思っています。

楠田 今までの採用担当者の役割とは違ってきているということかもしれませんね。7年前にアメリカやUSの人事の方と議論した時に、今までの転職希望者が分母で、その中から採用していくというのが採用市場だったけれど、これからは地球70憶の人口が分母であり、そういう人たちに手を差し伸べることがテクノロジーでできるようになるのか。ほんとに欲しい人材をとっていくことが我々HRの役割だと言っていました。

高橋 AGCでは、キャリア採用でのエージェント比率はまだまだ高くあります。その中で今後はダイレクトリクルーティングを進めており、比率としても上がってきています。多様な採用方法を通じて多様な人材を取ることもこれからは必要になってくるのではないかといます。また面接の工夫として、データをしっかり活用していく工夫もしています。具体的にはAGCの中で活躍している人材がどういったプロファイルなのかとらえて、そういった方を採用していくというような取り組みもしています。面接では控えめで目立たないような方であっても、入ってから活躍する方もいるので、データの活用はコンタクト時だけでなく、入社時や面接フェーズでもかなり重要になっていくと考えています。

大川 時期が異なった入社を行う場合、研修の体制はどうされているのか、明確に採用と教育担当が分かれているのかお伺いしたいです。また入社時期がずれた子たちの評価がどうなるのかが気になっています。評価のタイミングをクオーターごとにやっていくのか、育成と評価の部分をどの様にされているのか、工夫をお伺いしたいです。

源田 まずは採用と研修の連携では、同じ統括部の中に採用部と人材開発部を置いていますので、その中でしっかり連携をして、内定者教育から人材開発部が一緒に連携しています。先ほどもお伝えした通り中途採用も非常に多く、毎月入社がありますが特に困っていません。ソフトバンクの評価は年に2回のMVO評価、業績評価があり、もう一つは年に1回の行動評価があります。業績評価については3カ月間経過したところで入ってきた場合は、その後の3カ月の期間の中でのアウトプットを見て評価をしていますので、途中で入社しても、評価が付けにくいという声はあまり上がってこないですね。

楠田 役割分担が採用と育成で違ってもソフトバンクの人事の方は横の連携がすごくいいなと思っています。短期的な思考も長期的な思考も話せる方が多いと思っているのですが、そこは源田さんや上司の長崎さんがそういうカルチャーを作ってきているからですか?

源田 それはあるかもしれないです。人事の中で、「僕はこういう役割だからこれ以上はやらない」等のセクショナリズムはほぼ誰も感じてないと思います。

楠田 それがあるから、時代が変化したり採用のやり方が変わっていったりしても柔軟に対応できるのだと思いました。変化するとき、変わりたくない人も時々いますが、ソフトバンクさんは人事のみならず変化を楽しまれていますよね。

源田 やはりIT業界で変化の激しい業界の中で、さらに自ら変わり続けることを是としている会社でもありますので、それを楽しむようなメンバーが残ってきているのかもしれません。

楠田 AGCさんは伝統もあり、採用・育成のやり方を変えて通年採用をやろうとすると、現場の人はやりたくない等、何かご苦労ありそうだなと思いましたがいかがですか。

高橋 外からご覧になるほど硬い会社ではなくて、いわゆる大きな会社ではありながらも、フットワークはかなり軽い会社だと思っています。変化に対しても恐れずに、創業の精神にもありますがチャレンジすることに非常に重きを置いています。変化に恐れずにチャレンジしていくということは文化として根付いています。当然色々な議論はして問題解決はしていきますが、しっかりと見据える方向は一緒に、フットワーク軽く、変化を楽しみながら調整していくという風土はあるので障害はないかと思います。むしろ楽しみながら全員で取り組むことが多いですね。

楠田 カルチャーも新しいことにチャレンジして、イノベーション起こして、変化を乗り越えているのでしょうね。ガラスって堅そうなイメージもありますが、実は透明性もあると感じます。

大川 活動期間が年中となると、採用予算も増やしていますか?その工夫があれば是非お伺いしたいです。

源田 通年採用を始めた後から「攻めの採用」と呼んでいますが、採用のやり方を大きくシフトしました。従来であれば、エントリーしてきてくれた3万人のジャッジをし良い人を逃がさないようにしていますが、就活生全体に対するアプローチをしようとしています。その結果、コストもかかっていた大きなマス向けのメディアや大きな合同説明会をやめました。その代わりにソフトバンクに是非来てほしい学生に対して、通年を通してアプローチをしていくという手法に切り替え、コストとしては下がりました。これは通年採用だから下がったというよりも、採用のやり方をシフトしたから下がったってことなので、従来のやり方をしながら、通年採用をしていたらコストは上がるかもしれません。自分たちの人的コストも含めたパワーをどこに使うかという話で、是非来てほしい学生がいるところにこっちからアプローチしていこう、そっちにコスト使おうと、そういう転換をしました。

楠田 毎年フォーラムで、孫さんのストーリーテリングを多くの皆さんが真剣に聞いていて、夢を見させてくれる形に変えてきたということですかね。

源田 あれは第一志望度や、学生の志望度向上に役に立つ一番効果的なプログラムなので、今年はコロナの影響でできなかったのですが、来年度以降はまた考えていきたいと思います。

楠田 最近大学のキャリアセンターの方から、大学のイベントも学生が集まらないと聞きますが、参加されていますか?

源田 参加しています。地方大学学生の不便を無くしたいという理由で、1day選考をやったりしています。東京へ面接に行き、その影響で学業の時間が奪われる等、情報格差で地域の学生の方が東京の学生に比べると情報が得にくいといった課題を解決したいという思いで始めました。また大学のキャリアセンター主催の就活イベントへの学生集客率が減っているというのは事実だと思います。特に東京の学生が減っていると感じていますが、就活をHRテックとした新たなサービスに流れていると思います。

楠田 孫さんが以前から言っている情報革命で、社会を変えるとおっしゃっていましたが、アナログ的に大学に出向いて地方の大学にも情報をしっかり伝えているという事でしょうね。いろいろな工夫をしないと難しくなってきましたね。

大川 例えば通年化すると内定者の辞退もすごく増えると思いますが、内定者多めに出していますか?

源田 受諾後の辞退はそんなに多くはないですが、内定の受諾率には差があります。毎月の受諾率や状況を過去の全データを分析し、データに合わせて年間スケジュールを立てて採用活動を行っている状況です。

楠田 優秀な学生はどこの会社でも優秀でしょうから、大変ですね。感覚でなくデータを活用するため、アナリティクス的な人材も採用チームにいないと難しい時代になってきますね。

高橋 まさしくその通りです。HRテックという言葉ありましたが、面接もしっかりとデータを根拠とした活動をしていくということは大切で進めていかなければいけないと考えています。今回コロナの影響でそのデータが少し変化している感覚があるのですがいかがですか。

源田 全体的にも昨年に比べると内定の保持率が少し下がっているデータも出てきていますので、社会全体の影響が出てきているのかと思います。コロナに関しては、3月の時点でオンラインの面接の仕組みを持っていたということと、3月の時点から全部オンラインの面接に切り替えたので、僕らはあまり選考のスピードを落とさずに進めることができたので、採用の受諾率等は例年に比べるとあがってきていると感じます。今の3月~6月のインターンのあり方や学生も企業の意識も変わってきているので、これをコロナの影響だけで取るのか、就活の早期化の流れととるのか、もう少し分析を進めていかなければならないと思っています。

高橋 まさしくその通りです。AGCでも3月の早い段階でオンライン実施を決めて、その結果学生の皆さんもかなり安心して採用を迎えられたというお話も聞きました。その結果今年は受諾率に関しても高い傾向にあり、オンラインはかなり大きな変化かと思います。オンラインでできることも多くあったので、来年以降の採用については変わっていくと考えています。

楠田 コロナの影響で大学の授業やゼミがオンラインになり、そんな学生がエントリーしてくるので、逆にリアルに対する反応も変わったと思います。大川さん、どうもありがとうございました。