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WORKS REVIEW
REPORT

人事放送局

2020.07.28

人事放送局 Part1
「通年採用をしていく意味|ソフトバンク×AGC」

出演者

HRエグゼクティブコンソーシアム 代表

楠田 祐

NECなど東証一部エレクトロニクス関連企業3社の社員を経験した後にベンチャー企業社長を10年経験。中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)客員教授を7年経験した後、2017年4月よりHRエグゼクティブコンソーシアム代表に就任。2009年より年間数百社の人事部門を訪問し続け、人事部門の役割と人事のキャリアについて研究。シンガーソングライターとしてもプロ活動している。
◇主な著書
「破壊と創造の人事」(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)2011年は、Amazonのランキング会社経営部門4位(2011年6月21日)を獲得した。最新の著書は「内定力2017~就活生が知っておきたい企業の『採用基準』」(出版:マイナビ)

ソフトバンク株式会社
人事本部 副本部長

源田 泰之 氏

1998年入社。営業を経験後、2008年より人材開発部長、2019年より現職。新卒及び中途採用全体の責任者。グループ社員向けの研修機関であるソフトバンクユニバーシティおよび後継者育成機関のソフトバンクアカデミア、新規事業提案制度(SBイノベンチャー)の責任者。ソフトバンクグループ株式会社・人事部アカデミア推進グループ、SBイノベンチャー・取締役を務める。孫正義氏が私財を投じ設立した、公益財団法人 孫正義育英財団の事務局長。採用では地方創生インターンなどユニークな制度を構築。幅広い分野で活躍する若手人材と、企業の枠を超え、国内外問わず交流を持つ。教育機関でのキャリア講義や人材育成の講演実績など多数。

AGC株式会社
人事部 人財開発グループ
採用チームリーダー

高橋 健 氏

早稲田大学教育学部卒。消費財メーカーを経て2006年AGC株式会社に入社。工場拠点における人事総務を経験後、コーポレート人事部にて全社的な人事労政企画に従事したのち、2019年から採用チームリーダーとして新卒・キャリア採用を統括。多様な人財が活躍できる採用の仕組みづくりを目指し、挑戦を続けている。

株式会社ワークス・ジャパン
常務取締役

大川 道孝

金融機関に新卒入社後、経営企画など主に経営戦略業務を行う。その後、ディジットブレーン(旧文化放送ブレーン)入社。新卒採用、中途採用広報事業部門の執行役員。2011年、ワークス・ジャパンに入社し、採用支援システムやイベント事業を統括。2013年に取締役就任。現在は、採用事業全般を統括。

通年採用をしていく意味

楠田 ソフトバンクでは5~6年通年採用していると思いますが、通年採用の意味とは何ですか?

源田 人事によってとらえ方の違いを感じますが、私は、学生自身が就職活動をやりたい時期にできるような環境を作ることだと考えています。例えば学生期間は研究に没頭したい、留学していて日本のスケジュールの合わず就職が難しいなど、状況によって不具合がないように、年間を通した採用活動を企業は行うことが通年採用と考えています。

高橋 端的にいうとより多様な人材、優秀な人材を採用していくこと。そのために、様々な人寄り添ったかたち、タイミングで採用していく事が必要だと思います。

楠田 ワークス・ジャパンでは大企業のクライアントユーザーが多いと思いますが、一括採用か通年採用か、どちらがいいと思っている企業が多いですか? また、通年採用だけでいい人材は取れると思いますか?

大川 通年採用をしたいと思っている会社がとても多いと思います。企業によって通年採用の意味合いが違うと思いますが、各企業にお伺いするかぎり、新卒・中途関係なく、自由なスケジュールで採用活動ができることが通年採用だと認識しています。そのため、スケジュールにとらわれずに良い人材を採用していくという機会は増えていくと思っています。

楠田 通年採用をと導入すると、採用チームの組織の作り方も変えなくては行けないと思いますがいかがですか?

源田 まさにおっしゃる通りです。今までの採用は短い期間で効率よく、大量の人材を採用できるというメリットがありました。学生にとっても限られた期間だけ就活すればよいというメリットがあったかもしれません。企業側は採用の時期に人的リソースが集中し、採用部門以外の協力をあおいで一気に進めることが今までのやりかたでした。通年採用になると、応募者が時期問わずくるので、常に門を開いて態勢を取らなくてはいけない。また、より多くの学生(通常の就活スケジュールに乗れない留学性、学業に集中したい人)に対して、どうプロモーションするかが大事になります。また、日本企業は12月頃からインターンプロモーションする企業も多いですが、実際の採用活動は3月告知、6月面接解禁が多く限定的になっている状況なので、多くの学生は諦めがあります。様々な学生に対し、年間を通して採用をしていることをプロモーションすることが大事になるため、採用組織の役割も変わってきます。

楠田 AGCではこれから通年採用をはじめる中で、採用チームの体制、人事の体制も変えることも並行して進めていかないといけないかもですね。

高橋 採用のあり方は大きく変わってくると感じています。通年採用の話が初めて出たとき、正直ぞっとしました。最近は早くからインターン等があり、季節労働者と揶揄をされていた今までと比較をすると通年に近い活動になってきていますが、就活ルールがなくなり、通年採用になれば、春先の忙しさが年間を通してずっと続くのかとぞっとしました。ただ、よくよく考えたらそうではなく、通年採用の場合は人事が一括採用をするのではなく、事業部門のかかわりが増し、役割分担ができてくるのではと考えています。コーポレート人事部門のあり方が変わり、縮小し、事業部門との連携を密にしなければいけない、会社全体で採用を進めるということもあると考えています。

楠田 従来はアナログでしたが、デジタルの時代になり、オンラインのみでも選考ができるようになっています。今年の2020年入社の新入社員入社式っていうのはオンラインでしたか?

源田 2020年卒は大体570名入社しましたが、入社式はオンラインで行いました。その後の約3週間の研修も全てオンラインで実施しました。例年入社後に業務用のPCや iPhone を配布するのですが、今年は入社式の前に配布して自宅で参加できるようにしました。

楠田 オンライン面接でAI使いたいと今日新聞載っていましたが、デジタルを使いこなすといろんなことができますね。新卒採用担当者もご自宅でされていると、学校が休みのお子様が入ってきてしまうとかもありそうですね。

源田 コロナウイルスの状況を学生もかなり理解してくれているので、本来であれば直接お会いし会社をみて欲しかったけれど皆さんのことを考えて私も自宅から行いますと伝えれば、変なハレーションはなかったです。

大川 通年採用に関して、逆にデメリットの部分はありますか?

源田 PDCAを回し、データや状況をみながら進めていけば徐々に解消されるとは思います。私たちが最初に通年採用をやったときは、4月と8月と10月と1月ととりあえず4回セッティングしましたが、8月や1月を希望する方が少ないため入社者がほとんどいませんでした。ただ、一応その時期に向けても準備をしないといけないため、無駄ではあるかもしれません。その後の研修も分割されてしまうので、社員の工数が増えるという点が一番デメリットだったかと思います。

楠田 かなりトライアンドエラーしながら改善してきているのですね。

源田 入社が少ない時期はカット、効果を見ながら大きなプロモーションをする時期を決めていくなど、学生に受け入れてもらえるような施策を試し、良いものだけを展開していく、まさにトライアンドエラーで進めている状況です。

高橋 デメリットとしてあげられるのは、企業側にとっても学生にとっても、長期化してしまうことです。入社後の育成も一括であれば効率的に進められるが、通年になってくると、効率は落ちてしまいます。弊社は技術を重んじているので入社後は一定期間、現場での実習を大切にしていますが、受け入れ側の体制をどう構築していくかが課題として上がってきます。また、一括であれば同期の絆もできやすいですが、通年採用となるとそういった点でもケアが必要になってくると考えています。非公式ではありますが、AGCには若手が将来のAGCを考えていくエージーシードという組織があるため、そういったところでカバーしていくことは出来るかなと思っています。

楠田 配属先の現場の方たちがちょっと戸惑う可能性がありますね。

高橋 技術に加え、安全も非常に大切にしている会社ですので、現場サイドもかなり工数を掛けて受け入れをしてくれています。ソフトバンクさんのように毎月ではなくても、クウォーターごとにするなど、自社に適したやり方はあるのかなと思っています。

楠田 ソフトバンクは現場の戸惑いはありますか?また、同期意識はいかがですか?

源田 昨年度でも中途採用で400名ぐらい採用していますので、受け入れになれているということは多少あります。今は4月と10月で入社式が2回になっていますが、4月が90~95%、10月は主に海外組の5~10%程度ですので、10月入社の方の横のつながり作りや部門ケアがしっかりできれば、そこまで大きなハレーションにはなっていないと思います。同期意識についてはある人とない人がいます。若手は多少ありますが、それなりのキャリアのある人たちは中途入社も多く、プロパーというよりは、ボーダフォンジャパンや日経テレコム入社等、外から入ってきている人の方が多いので、ほとんどの人がそんなに意識していないです。

高橋 ソフトバンクさんは非常に先進的な取り組みをされていると思いました。一括採用であれば、横並びで見ることができるかと思いますが、通年になると、ジョブ型の雇用が進展していくと思いますので、採用での基準や見る部分も変わってくるのでしょうか。

源田 面接評価や回数などのやり方に関しては、通年採用になっても変えていません。年間を通して、ソフトバンクで活躍してもらえそうかを見ているため基準は変わっていません。ジョブ型に関しては、今年の夏のインターンでジョブマッチインターンというものを行っています。ジョブ型に特化した募集をし、各部署で活躍できそうな方々をインターンで受けいれ、実績を出してもらう。本人にとっても満足した働き方ができたようであれば、その部署に内定を出すといったインターンを開催しています。

高橋 通年採用になり、採用のあり方が変わっていく中で忘れてはいけないのは、何のために採用をしているのか。企業の使命や目的、ビジョンを達成していくために必要な人材を獲得していくという目的は変わるものでは無いので、そこはしっかり押さえるべきだと思います。変化する部分は、ジョブ型の雇用になっていくことだと思いますので、今後ジョブ型の雇用について考えるにあたり、引き続きご教授いただけたらありがたいなと思います。

楠田 最近の学生さんはものすごくキャリア意識が高く、大学のみならず早ければ小学校からキャリアを教え始めています。自分がやりたいことにかなりフォーカスしてくる可能性があるので、コース型、ジョブ型にした方が優秀な学生がエントリーしやすいのではないかなと思います。総合職という取り方すると、どこに行くか分からないから嫌という声もあるかと思いますが、源田さんはどうお考えですか?

源田 特に優秀といわれる学生の傾向には2種類あると思っています。1つはまさにジョブ型。どの会社に入るかというよりは、何の仕事をしていくか、どう自己成長を遂げていくかまで考える学生はすごく増えていて、何の仕事が出来るかを大事にしている人は多くなっています。もう一つは、社会的に良いことをしたい、社会課題を解決したい、ただ働くだけでなく、世の中に何が還元できるかを考えている学生で、そういった考えの学生も増えてきている実感があります。

高橋 AGCも技術系では部門別、職種別採用を導入しています。学生にとっては入った後のキャリアのイメージがしやすいとのことで、安心して受けてもらえているかなと思います。キャリア意識はかなり高いですが、それだけではなく、企業の理念やビジョン、存在価値に共感しAGCを選んでくれる学生も多くいるますので、ご自身の観点でどうしていきたいかを考えた上で、職種別に応募してきてくれる学生が非常に多い印象です。

楠田 職種別で入社した方が3~5年経って職種転換していくということも当たり前にあると思いますので、今後はそのような採用も増えていくということですね。