WORKS REVIEW
REPORT

採用担当者向け

2021.09.15

オンラインセミナー「理系採用戦略~ターゲット学生に合わせたコミュニケーションとは~|三井化学×ルネサスエレクトロニクス×POL」を開催しました

出演者

三井化学株式会社
人事部 技術系新卒採用担当(当時)

脇田 友貴子 氏

2009年に三井化学株式会社に新卒入社。
ポリマー製品の製造現場において、生産技術(プロセスエンジニア)職として従事
その後、人事部に異動し、新卒採用として企画設計を担当。

ルネサスエレクトロニクス株式会社
人事統括部 人事戦略企画

住近 勇輝 氏

2019年にルネサスエレクトロニクス株式会社に新卒入社。
事業所勤労担当としてキャリアをスタートし
2020年に本社人事戦略企画チームに異動。
以降は新卒採用のメイン担当として、採用戦略の企画や立案、実行まで手掛ける。

株式会社POL
LabBase事業部 営業責任者

岸本 雅史 氏

2017年8月、創業期のPOLに入社。
候補者支援、法人営業、自社人事などを経験。現在法人営業部の責任者を担当。
日経、外資、企業規模、業界問わずに100社以上の理系学生の採用を支援。

株式会社ワークス・ジャパン
ITソリューション部 営業課

庄司 幸賢

理系学生の母集団形成には、ナビ媒体のほかにもさまざまな手法が

庄司
今回は視聴者の皆様に事前アンケートを取らせていただきました。『理系採用の母集団形成』というテーマで95名の方に意見を伺ったので、レビューさせていただければと思います。全部で5つの設問項目を設けております。まず1つ目が「理系学生の母集団形成において取り入れられている手法を教えてください」という質問。回答上位から「ナビ媒体」「採用イベント」「学内セミナー」「自社サイト」と、かなり多様化していることがわかります。ナビ一辺倒ではなく、その他の施策を打ちながら母集団形成をしていることが見受けられます。
続いて「理系学生さんの母集団形成で最も有効だと感じた手法を教えてください」という質問です。1位は「ナビ媒体」でQ1と変わらない結果でしたが、「採用イベント」、「研究室訪問」、「スカウトサービス」の割合が拮抗しています。会社によって有効な母集団形成の方法は異なるということが分かります。
3つ目の質問は「学生の流入経路の違いによって選考フローや選考時期を変えていますか」。これに対しては、「変更します」との回答が42%、「変更なし」との回答が58%という結果となっております。

選考中・内定後ともに、学生フォローには社員座談会が多く実施されている

続いて、「理系学生に対する選考中のフォロー施策について実施していること」です。1位は「社員との座談会」で、実際に現場で働かれている方とのコミュニケーションを意識したフォローをされているようですね。その他に「人事面談」、「リクルーター活用」などあるように個別フォローを意識されているようにお見受けできます。
最後の質問は「内定出し後のフォロー施策」について。Q4と変わらず「社員との座談会」が最多回答、次点が「人事面談」という回答です。内定出し後ということもあり、「現場見学」や「フォローツール活用」といった回答も目立ちますね。


今回はPOLの岸本様にもご登壇いただいており、理系採用市場についての詳しい情報やデータ等もご紹介いただきたいと思います。

理系学生の採用サービスを専門にする株式会社POLについて

岸本
私たちが調査した理系学生の動向についてレビューさせていただきます。その前に、簡単に当社のご紹介をさせてください。株式会社POLは2016年9月に創業し、現在第6期目を迎えた会社です。2017年の3月から、理系に特化したスカウト型の採用サービスを運営しています。
理系に特化した「LabBase」というダイレクトリクルーティングスカウト型のサービスを新卒に特化して運営しております。現在は、理系の中でも特に修士、マスターの学生さんに多く使っていただいているサービスで、23卒では修士の就活生の約4人に1人に登録いただいています。

理系学生の就活スケジュールと、具体的な行動時期は?

ではここから、理系学生の就活動向についてお伝えします。こちらが理系学生の就職活動スケジュールです。現在、多くの企業様が夏のインターンシップを実施されているように、学生側もオンラインに伴って動き出しが早まっています。6月から動き始めて、学会などもありながら、約1年間を通して就職活動を行っている状況です。

「業界を絞った時期」についてアンケートをとっています。1年間通じて、ある程度バラけて志望業界を絞っていくという結果になっているのですが、まさにこの9月10月、秋以降から年明けの3月まで、この半年間の間に多くの学生が業界を絞ると回答しています。ですので、企業様としては、学生が業界を絞りきる前の年内にアプローチをすることで、就職先の候補として認知を獲得できます。

そういった中で第一志望を決めるのはいつのタイミングなのかについては、年明けから特に3月との回答が多かったです。23卒でいうと、来年の3月に集中して第一志望の会社を固めることになるでしょう。

業界を絞る時期・第一志望を決める時期の両方を鑑みると、企業様は年内の学生がまだ業界を絞り切っていない時期に初期接点を持つことと、年明け3月までの間に第一志望群に入れるようなコミュニケーションを目指す必要があるかと思います。

理系学生とのコミュニケーションにおいて有効な手段とは?

では、どのようなコミュニケーションを取れば良いのかについてご説明します。学生が就職活動の中で嬉しいと感じた体験の調査では、やはり「研究者、技術者と直接をお話できる、会う機会が作れる」という部分が学生にもっとも響いていました。採用活動の中では、いかにして学生と現場社員との接点を作るかが大事だと思います。
次に、内定者向けフォローのうち、入社意欲や気持ちが高まった体験についてです。ここも先程と同様に、「若手社員との座談会」などが非常に有効と分かります。企業様向けのアンケートでは内定者懇親会を実施されているところが少なかったのですが、学生側は「内定者懇親会」によって入社意欲が高まるという傾向があるので、実施されていない企業様は導入すると効果的ではないかと思います。
リクルーターや先輩社員との関わりが志望度にどう影響したかという質問に対しては、6割の学生が、社員との接点を持つことで企業様への志望度が「高くなった」と回答しています。非常に効果的な手段だと言えるでしょう。

要点をまとめます。まず、就職活動、採用活動のスケジュールとしては、秋から年末、そして年明けの時期に学生が第1志望までを決めるので、年内でどれだけ初期接点を作るかが大事です。そして、作った接点から学生を引き上げていくところで、ターゲット学生に合わせた適切なコミュニケーション、特に現場技術者を巻き込んだ接点作りが有効だと言えます。
庄司
岸本様、ありがとうございます。続いて、ゲストの2社様にもアンケート結果を踏まえたご感想等をお伺いできればと思います。では、三井化学の脇田様から、いかがでしたでしょうか?
脇田
アンケート自体を大まかに見せていただいた中で、コロナの影響で早期化が本当に加速された印象を持ちました。動き出しの遅い学生さんもいらっしゃるとは思いますので、やはり採用活動自体が早期化・長期化していると捉えています。また、現場で働く社員の話を聞きたいという学生さんが多いことに対して、弊社もそうした取り組み行っておりますので、ニーズに合っているようで安心しました。
庄司
では住近様にもお伺いできればと思います。
住近
POL様からご提示いただいた「いつ第一志望や志望業界を決めたか」のアンケート結果については、私自身も納得感があります。ダイレクトリクルーティングツールも年内に送るとよい反応があるのですが、年が明けると返信率も下がりがちですので、やはり年内にアプローチをする必要があると改めて思いました。

三井化学・ルネサスエレクトロニクスの22卒採用手法

庄司
次にトークセッションに移ります。ここからは3つの設問に沿って、2社様の採用活動について詳しくお伺いできればと思います。
まず1つ目のトークテーマは、「22卒の採用手法」についてです。先程スカウトツールのお話もありましたが、コロナ禍で採用活動自体がオンラインに移行したことによる制限もあり、学生も研究室に赴くことができないといった状況があり、就職活動のあり方自体が変わりましたね。そこで実際に2社様が22卒採用でどんな取り組みをされたのかを伺えますでしょうか。まずは脇田様からいかがでしょうか。
脇田
弊社の場合は、22卒においても例年どおりナビ媒体やスカウトサイトは使用しました。他にイベント出展なども行っていましたが、22卒で特に強化したのはスカウトサイトの利用です。対面でのイベントが少なくなり、偶然の出会いが生み出せなかった為、欲しい人材層に向けてスカウトを行うことが効率的に学生さんと出会える手法となると考えたからです。
しかしながら、採用にかけられる経費には限りがあるので、出展できるイベントがあっても内容が薄くなりがちで少人数としたか接触できないのであれば参加しないという決断も行いました。大型のイベントであっても、オンラインでは偶然の出会いがなかなか見込めないかなというところで、費用対効果がよくないのではないかとの判断による舵取りを行いました。
庄司
御社は職種別採用されていますが、職種ごとに初期接点の持ち方やツールの使い分けなども実施されているのでしょうか?
脇田
そうですね。当社は化学メーカーなので研究職志望の学生さんについてはありがたいことに多数の応募をいただけるので、そこはナビ媒体や自社ホームページから十分な流入があります。一方で、設備エンジニア職については認知を広げる努力が求められるので、スカウトサイトの活用を強化しています。
庄司
スカウトツールを活用しようと思ったきっかけやいつ頃から導入されたのかお伺いできますでしょうか?
脇田
スカウトツールは2種類を使っています。本日ご登壇いただいているPOLさんの『LabBase』と、『TECH OFFER』というツールです。LabBaseは19年から活用しています。研究開発職の中でもなかなか採用できない層、たとえばマテリアルズインフォマティクスのようなAI技術を用いて研究を行う分野があるんですが、そうした人材と接点を作りにくいという課題に対し、ピンポイントで接点を創出するためにLabBaseを使い始めました。こうして活用を行う中で、同じく採用に苦戦していた設備エンジニア職にも波及させられるのではと考え、設備エンジニア職向けのスカウトも行うようになったのが導入の経緯です。
庄司
住近様にも同様の質問をさせていただければと思います。ルネサス様が22卒採用で取り組まれたことや、先程脇田さんのお話にもあったスカウトツールの活用についても教えていただけますでしょうか。
住近
22卒採用の学生流入経路は大きく3つあります。1つ目が、三井化学様もお話されていましたが、ナビ媒体や自社採用サイトです。2つ目が、大学ごとに組織しているリクルーターチームからの接点です。リクルーターには、オンラインではありますが、研究室への訪問や個別のOBOG面談を対応してもらっています。最後の3つ目がダイレクトスカウトツールです。
弊社はB to Bメーカーなので、弊社に対する学生の知名度はあまり高くないといった課題もありまして、能動的に学生と接点をちたいと考えたことが導入の背景にあります。
庄司
2社様とも共通して「認知拡大」という点でスカウトツールを活用されているんですね。職種によっては母集団を獲得しにくい課題があり、そこでスカウトサービスを利用しているといったお話がありましたが、流入経路も多様化する中で、たとえばスカウトツールからの学生さんをどのように選考に繋げているのでしょうか?
脇田
弊社の場合はスカウトさせていただいた学生さんに対しては、まず「プレエントリーをお願いします」という形式をとり、プレエントリーいただきましたら、次は受け口となるイベントを設けております。オンラインにはなりますがそこできちんと顔を見せて接点を作っていく流れです。
庄司
プレエンの段階ですでに職種は絞っていらっしゃるんですか?
脇田
そうですね。弊社の場合は最初に希望職種を選んでいただいています。その上で、職種に合ったイベントをご案内しています。
庄司
学生さんの志望職種に合わてイベントをご用意されているわけですね。住近様はいかがでしょうか?
住近
弊社ではスカウトを送る時期によってツールを使い分けていることと、スカウトの内容や対象学生によってもツールを変えていることが特徴かと思います。弊社もLabBaseとTECH OFFER、2つのツールを使っています。特にプレ期間の母集団形成については、ポイントごとに個別にスカウトを送付できるLabBaseを使用しております。反対に、なるべく多くの学生を掘り起こしたい、母集団を大きく拡大したい本選考の時期は、研究キーワードを基に一括でスカウトを送付できるTECH OFFERを使用しております。
LabBaseを使う際には、学生の方の研究内容や希望する職種をよく読み込み、スカウト文面を作ります。「あなたの研究内容と弊社のこの職種がマッチするのではないか」「あなたが希望するこの業務は弊社のこの職種で実現できます」といった内容で、学生の方に興味を持っていただけるような文面を心掛けています。
庄司
そうした文面作成などは時間をかけて取り組んでいらっしゃるわけですね。非常に参考になりました。

スカウトツールの運用では「志望度をいかにして引き上げるか」が鍵

庄司
次にPOLの岸本様にも、LabBaseを運用されている企業様の具体例や、有効な手法などについてお話しいただきたいと思います。
岸本
大きく2点お伝えできればと思います。ルネサスさんも三井化学さんもスカウトサービスを2種類導入されているといったお話があったように、やはり最近は導入する企業様が増えています。ダイレクトリクルーティングサービスの使い方として、今までは就活後期で取り逃がした学生と接触するための保険的な使い方が多かったと思いますが、最近は就活の前期からメインチャネルとして使う企業様が増えている印象があります。
もう1つは具体的な使い方として、狙った学生にアプローチできるというサービスの特徴を活かすことです。とはいえ、ナビ媒体に比べるとダイレクトリクルーティングでは志望度の低い学生との接点が多くなるケースもあります。先程住近さんもおっしゃっていたように文面を工夫することや、個別の受け皿を設けるなど、ナビや自社サイトに比べて志望度が低い学生とどう接点を作るかを考えた運用が大切です。特に最近の理系学生は「その職種で自分が何をするのか」という職務内容を非常に重視する傾向があるので、文面や受け皿でも職種・職務の理解が深まるものをご用意いただくのが効果的だと思います。
庄司
学生の市場感に合わせて気をつけるべきポイントをご説明いただき参考になりました。スカウトに限った話ではなく、初期接点を持つ段階で「うちの会社でこういうことできるよ」ということを初めに提示してあげるだけでも、その後のフォローの仕方は変わってくると感じました。

コロナ前後で変わったリクルーターの活動・役割

庄司
2つ目のテーマに移りたいと思います。理系学生の採用においては2社様とも「リクルーター」を活用されていますが、オンラインになって変化した部分も大きいのではないでしょうか。コロナ禍とコロナ以前を比べた時の採用活動の変化についてお伺いしていきたいと思います。
住近
リクルーター活動がコロナ前後で変わった点といえば、やはりオンライン対応が必要になったことです。弊社のリクルーターはとてもありがたいことに、各チームが自主的に知恵を出しつつ活動しています。具体的には、研究室訪問はもちろん、場合によっては学内説明会にも参加するなどして学生と接点を作ってきました。そういった活動がオンラインに移行したため、これまでのように対面で接点を持ちづらい状況へと変化しました。よって、母集団の形成だけでなく、学生と接点を持った後の動機付け・グリッピングをこれまで以上に意識して活動するように依頼しました。弊社のマイページに登録した学生や選考途中の学生に対して、「よろしければエントリーシートの添削をしましょうか?」「何か気になること・採用担当には聞きづらいことがあれば、私たちで回答しますよ」といったコミュニケーションを主体的にとってもらいました。
庄司
脇田様はいかがでしょうか?
脇田
弊社もオンラインでしか接触ができなくなった部分が大きく、コロナ以前であれば対面で研究室訪問をさせていただいていましたが、22卒ではオンラインで接点を持つことがほとんどでした。ここで学生さんに興味を持ってもらうために、まず三井化学を知っていただくことを意識してお話をしてもらうことをリクルーターのみなさんにはお願いしていました。実際にリクルーターには、「この時期に活動してほしい」と依頼しているので、タイミングに合わせて接触していただいた場合は、その後の社内イベントなどを周知できるので魅力付けが進む設計としております。
あとは、オンラインの一回限りでは魅力を伝えきれず興味喚起が不十分という課題もあったので、以前は受け付けていなかった「個別のOB訪問」も始めました。ビズリーチキャンパスを導入して、学生さんが話を聞きたい社員と個別オンライン面談を実施するというものです。
庄司
ありがとうございます。2社様ともに採用活動がオンラインに移ったことでリクルーターのあり方も変化した中で、オンラインでの魅力訴求と、コミュニケーションの取り方が大きく変わったわけですね。実際にリクルーターによる魅力訴求を進める中で意識している点をお伺いできますでしょうか?
脇田
弊社の場合、やはりまずは「知っていただく」ことが大切です。そこで、まずはリクルーターのみなさんが安心して紹介できるよう、会社紹介の雛形資料は用意していますが、リクルーターそれぞれが話しやすいよう加工してもらって構わないというスタンスです。あとは、実際の自分の業務などを、生き生きと伝えていただくことが学生さんに対する魅力訴求になると思っているので、自分の話しやすいスタイルで「あるがままに話してください」ということも伝えています。
学生さんにとっても私たちにとってもwin-winの就職活動・採用活動を目指したいので、「こういうことは話さないでください」といったNG事項は作らない方針です。
庄司
「ありのまま」を伝えていただく、ということを強く意識されているんですね。住近様はいかがでしょう?
住近
弊社も三井化学様と同様に、ある程度は人事で会社紹介のスライドを用意し、学生へ送付するメールの文面なども雛形を提案しています。ただ、それをどう使うかはリクルーター個人にお任せしています。会社制度や会社全体のことは弊社の説明会に参加する、あるいは採用ホームページを確認するとわかるようになっています。むしろ、学生の方々が弊社リクルーターに期待しているであろう「エンジニアとしての働き方・実務」を重点的に話してもらうようお願いしています。三井化学様同様に、これは話してはいけないといった制限もなく、近しい先輩・後輩のような雰囲気でざっくばらんに語ってもらうようにしています。
庄司
ありがとうございます。POLの岸本様にも補足いただきたいと思います。おそらく今後もリクルーターがオンラインで活動していくなかで、運用のポイントを伺えますか?
岸本
大きくは2社様からお伝えいただいたとおりかと思います。その上で、オンラインになって何が変化したのかをお話できればと思いますが、やはり一番変わったのはリクルーターの方々の役割や担う範囲でしょう。今までは母集団形成のタイミングで学校を訪問してエントリーを促すことが主だったと思いますが、たくさんのお客様のお話を聞いていると、直接学校に行けなくなった分、『LabBase』や『ビズリーチキャンパス』のようなオンラインサービスを使うケースが増えました。あとは、リファラル採用ツールを導入するなど、リクルーターが学校へ直接赴いて母集団を作るだけでなく、ツールや媒体をリクルーターの方が運用して、能動的に母集団形成する企業様が増えてきたことが最近の傾向です。
もう一つは、初回の接点づくりや母集団形成だけではなく、その後の選考活動の中で携わる機会も増えているようです。選考の途中でも学生とリクルーターが接点を持つことで、自社への理解を深めてもらう取り組みに、リクルーターさんを巻き込んでいく企業様が増えています。
学生もリクルーターや社員と会うことにポジティブなので、理系採用における重要な戦略・施策になっていると思います。
庄司
岸本さん、ありがとうございます。ご紹介いただいたデータにもあったように、学生が詳しい職務内容・魅力の説明を求めている以上、人事担当者だけでは訴求しきれない部分もあるだろうと思います。そこに協力してくれる社員を巻き込んでいくことが重要になってくるわけですね。

内定出しから承諾に結びつけるための取り組みは?

庄司
それでは最後のトークテーマに移ります。内定出し後のクロージングについては、学生とどんなコミュニケーションを取り内定承諾に繋げているかについてお伺いできればと思います。
脇田
弊社では合格者の方へ可能な限り早く連絡をすることは心掛けています。なので、たとえば面接が1日程であれば、意思決定出来次第、即日でご連絡させていただいたり、遅くとも次の日の午前中にご連絡させていただくイメージです。あとは、面接日程が続く場合はそれが終わり次第、連絡させていただいて「あなたに本当に入社してほしいんですよ」ということを早めに伝える工夫をしています。
ご連絡した際にその場で承諾いただければ大変嬉しいことですが、もちろん迷われる学生さんもいらっしゃいますので、その方に対しては期日を設けさせていただき、そこまでに受諾か辞退かの意志決定をお願いしています。
学生さんの意思決定のために、もっと判断材料が欲しいといったお話をいただいた場合、たとえば若手の社員がいいとか、逆にこういうキャリアを積んだが社員がいいといったご要望に合わせて、社員との個別面談をセッティングするなどの取り組みを行なっています。
庄司
その個別面談の印象によって内定を承諾してもらえるかが決まる重要なタイミングかと思いますが、「学生さんにこういうことを伝えてください」と社員さんにお願いしていることはありますか?
脇田
実はそういったことはあまり伝えていません。どういう状態の学生さんで、当社としては入社いただきたいと思っていることはもちろん社員に伝えますが、どちらかというと迷われている学生さんの相談に乗るイメージで「三井化学はこんな会社・仕事をするよ」っていうことをあらためてしっかりお伝えいただいて、彼らの不安を払拭してもらえたら嬉しいというお願いはしていますね。
庄司
住近様はクロージングでどんな工夫をされていますか?
住近
私たちもなるべく早い結果出しと連絡を心がけています。また、合格をお伝えするときは、合否のポイントとなった点を併せてお伝えしています。特にエンジニアの面接官が書いていた、「その研究はこの職種で生かせそう」「このスキルはこういった業務で生かせるのではないか」といった具体的なコメントをお伝えするようにしています。「内定です」という結果だけでなく、「こういうところが評価されたのか」とフィードバックのあったほうが、学生の方にとっても嬉しいと考えております。
そしてやはり、承諾を迷われる方もいらっしゃるので、そこでリクルーターから「何か聞きたいことありますか?」といった声がけで接点を持つようにしています。その時に「リクルーター以外の社員と話したい」「マネジメント層の社員と話したい」という要望があれば、人事が仲介して面談を設定することもありますね。
庄司
意識されている部分の1つとしては、ただ単に内定を伝えるだけでなく、学生個人ごとに評価したポイントをきちんと伝えてあげることですね。その辺りは人事の方でやっていらっしゃるんですか?
住近
フィードバックについては私たち採用担当がご連絡するときに行なっています。リクルーターからのは、直接連絡するようにとお願いしています。きっと学生の方も同窓の社員からウェルカムなメッセージを受け取ったほうがより嬉しいのではないかと感じています。
庄司
では最後に、POLの岸本様にもお伺いします。友好的なクロージング方法は各社さまざまかと思いますが、実際にLabBaseをご利用されている企業様の事例をご紹介いただけますか。
岸本
そうですね。一つはクロージングというよりは選考プロセスも絡んだ話になりますが、最近特に多い中で効果的だなと思うのが、学生さんに合わせて「いつでも内定出しや選考を進められる」ようにしておくことです。今までは一律で「3月からしか選考はできません」、「このタイミングで内定を出します」といったようにスケジュールを決めて動かれる企業様が多かったのですが、そこをある程度柔軟に、学生が希望すれば早期からでも選考できますという形にしている企業様が増えました。特に私たちのお客様は中小規模の企業様がほとんどなので、そういった対応をされている企業様が多いです。柔軟に動けるメリットを生かして、年内や年明けすぐに学生の希望に合わせて選考を始める企業様が増えているように思います。
あとはもう一つ、情報系の学生に関しては業界や企業規模を問わず、学生の希望に合わせて選考活動を進める企業様が増えています。情報系の学生を採用したい場合は、採用強豪が早くから動いているケースも多いことを念頭におくことが大切です。
もう一つは、オンライン就活が主流になったことで学生一人当たりが受ける企業の数が増えています。今までより多くの企業と接点を持つケースが多いので、そこを考慮した上で密な連絡を取る必要があります。実際に、他社の選考面接がいつあるのかを聞いた上で、その選考面接の前後で電話フォローを入れるなど、かなり細かいフォローアップを行う企業様が増えている印象があります。
庄司
ありがとうございます。2つの事例をお話いただきまして、選考の部分は本当に参考になったと思いました。冒頭に岸本様からお話いただきました通り、年内にはまず業界を絞る点を踏まえても、本当に早め早めに学生さんに合わせて動くことが重要になってきますね。まずは早期の接点づくりと、そこから学生ごとに合わせた選考や、リクルーターとのコミュニケーション機会を作ること。そしてクロージングも含めて、理想を言えば「一人ひとりに合わせた採用」が目指すべきところであり、有効な手法なのかなと思いました。
最後に、ご登壇いただいた3社様からメッセージをお願いいたします。
住近
本日はお呼びいただきありがとうございました。弊社も状況に応じて採用活動を変化させてきましたが、三井化学様やPOL様のお話をお伺いし、まだまだ改善できる部分がたくさんあると感じました。今日は本当にありがとうございました。
脇田
本日はありがとうございました。住近さん同様ですが、皆さんのお話を聞かせていただき、本当に学ぶところが多いなと感じました。23卒も採用の早期化・長期化に加えてコロナ禍も続き、採用担当の方々は難しい舵取りが求められるとは思いますが、お互いにより良い対応ができればと思っております。本日の情報が少しでも役立てばうれしく思います。
岸本
本日はこのような機会いただき、ありがとうございました。私としましては、実際にLabBaseをご利用いただいている脇田さん、住近さんとお話させていただき、お二方がどのように運用されているのか、どのような採用活動をされているのかも教えていただき、非常に勉強になりました。本日ご参加いただいている皆様も、理系の、特に修士、研究職の採用でお困りごとがあれば、ぜひご一緒できることあればと思いますのでよろしくお願いいたします。
庄司
ありがとうございます。ご視聴いただいている企業様すべてに、2社様で実施していることを当てはめるのは難しいかと思いますが、いろいろなヒントをPOL様からもいただいた中で、まずは早期化への対応として学生さんと接点を持ちながら、適切なコミュニケーションを行っていくことを検討していただけたらよいかと思います。