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WORKS REVIEW
REPORT

採用担当者向け

2021.01.26

オンラインセミナー「グローバル採用の新時代 ~コロナ禍での海外大生の実態に迫る~|日本生命保険 × Institute of Global Exchange」を開催しました。

出演者

日本生命保険相互会社
人材開発部 調査役

宮澤 遊馬 氏

内部監査(現地販売組織・本部組織に対する監査、金融庁対応)
ニッセイ情報テクノロジー出向(人事制度、国内外労務、働き方)
2020年4月~ 採用担当(新卒、中途)

Institute of Global Exchange(IGE)
代表

Ken Inoue 氏

米国大学(Business Administration専攻)卒業後、1年間カリフォルニアの語学学校で勤務し。その後独立し、IGEを設立、現在に至る。

University of British Columbia 在籍

上野 新 氏

高校はシンガポールのインターナショナルスクールを卒業、IB diplomaを取得。
大学はカナダ・バンクーバーのUniversity of British Columbiaに在籍。ビジネスとコンピュータサイエンスを専攻中。現在は友人が始めたスタートアップにエンジニア兼プロファクトマネージャーとして参加している。

株式会社ワークス・ジャパン
メディアイベント部
自称「サークル博士」

岡野 玄

平成元年に社会人スタート。以来、大学生周りのビジネス一筋32年。
就活情報「サイトキャンパスキャリア」には、創成期より携わる。現在は就活イベントの企画運営の傍ら、WEB配信のMCも行う。これまでに接触した大学生は累計約3万人。

日本生命の採用に関して

岡野 日本生命様にはこれまで大変お世話になっており、日本人の採用につきましてはお手伝いをさせていただいております。昨年のボストンキャリアフォーラム(BCF)のイベントに、Webになったことを受けて初めてご参加されたということを伺いまして、まさに今日のテーマにぴったりだと、白羽の矢を立てさせていただきました。今日は、宮澤さんには視聴者代表のスタンスでご出演いただきましたので、どうぞよろしくお願いします。

宮澤氏 よろしくお願いいたします。

岡野 それでは早速、日本生命様の採用の全体像からお話を伺いたいんですけども、よろしいでしょうか。

宮澤氏 かしこまりました。日本生命では、新卒採用ではここ数年、大体700人から800人ぐらいの学生を採用しております。海外を含めた全国転勤型とエリアを限定した職種、それぞれがマネジメントメイン、営業メイン、事務メインということで、全5職種で新卒の採用を行っています。スケジュールは、政府、あるいは経団連の指針をしっかり守ったかたちで、夏ぐらいからインターンシップを実施し、3月の採用広報解禁、そして6月の採用選考を迎えるというかたちです。

岡野 今日のテーマである海外大生の採用でも、特別にスケジュールを早めたりとか、特別なセミナーをやったりとか、そういうところはまだ今のところはないと。

宮澤氏 はい。結論から申し上げますと、もっとやりたいんだけれどもできていないというところです。

基本的には6月以降の採用選考、4月入社というスケジュールに乗せるということを、国内の学生、国外、海外の留学生限らずやってますので、海外への留学生についても、帰国のタイミング等々で採用選考を行っている状況です。
これまでは、東京サマーキャリアフォーラムですとか、今年はオンラインでボストンキャリアフォーラムにも出展しましたけれども、こういったイベントについても、あくまで広報イベントという位置付けで参加してまして、その場での選考は行っていません。そもそも採用マーケットで、我々は人気企業ではないと自覚してまして、国内海外に限らず、まずはどうやったら学生に日本生命に興味を持っていただけるかというところを、採用広報のメイントピックとして活動をしています。
ドメスティックな色がまだまだ強い会社ですので、留学生の採用でも、海外に留学している日本人学生よりも、海外から日本に留学してきている外国人学生の採用数の方が多いという状況です。海外大生を毎年何人以上採用するという人数枠の設定も、今のところはしてないというのが実態です。

岡野 去年の秋、初めてオンラインになったBCFに出展されたということで、留学生に対してはこれまでと変わりましたか?

宮澤氏 留学生に対して何かが大きく変わったというところはないですけれども、やはりこのコロナ禍で、採用がWeb中心になってきておりますので、そういった中でいろいろ、企業も学生も工夫をしながらやっているんじゃないかなと思います。

岡野 今日は日本とアメリカの架け橋で就活支援を行っているIGE代表のInoueさんも来ていますし、海外大生の方も参加していただいていますので、宮澤様が疑問に思っていることをお聞かせいただいて、そこを中心に掘り下げていければと思うんですけども、具体的にはどんなところをヒアリングされたいでしょうか。

宮澤氏 日本生命は海外大生の採用に関しては後発組で、これからグローバル人材を採用強化していきたい企業の代表ということで今日は参加させていただいてます。
留学生の方がどういう考えで企業を選んでいるかとか、そのあとの入社後のキャリアについてどういう考えを持たれているか、あるいは我々のような、就職先としてイメージしづらいような企業の採用戦略は一体どういうふうにしていったらいいんだろうといったところについて、お話を頂戴できればと思います。

北米の留学生の就活動向

岡野 それでは早速ここからはIGE、Kenさん。今日は日本人で海外の大学に留学している学生、海外大生について、詳しく知りたいという企業様がたくさん視聴されていますので、どうぞよろしくお願いします。

海外大生は大きく分けると、正規留学生と非正規留学生。正規留学生は、日本の大学や高校を卒業して海外の大学に籍を置いている方のことを指します。それ以外を非正規留学生と呼ぶんですが、こちらはポピュラーなところだと交換留学だとか、あとは語学留学だとか、どちらかと言うと1年未満の短期の方を指しています。
「トビタテ!留学JAPAN」の資料では、2018年まで留学生は順調に増えています。最近の留学先はアジア圏が多くなり多様化してきているんですが、最も多いのはアメリカ、3番目カナダと北米が留学先としては多いです。
Kenさん、アメリカに行っている正規留学生の割合は実際どのぐらいでしょうか。

INOUE氏 はい。留学形態も多様化してきて、例えばダンス留学とか、映画を作るコースとか、親子留学とか、あとワーキングホリデーとか、いろいろありますけども、北米の正規留学に関しては、もう2000年ぐらいからどんどん少なくなっています。それと反比例して、交換留学が増えているのが現状です。

岡野 次に日本の企業は留学経験者を今後、積極的に採用していきたいかどうかという設問に対してなんですが、「どちらかというとそう思う」を含めると、73.5%の企業の方が、留学経験のある学生を採用対象としたいというアンケート結果が出ています。
あと、実際に海外に留学した学生へのアンケートでは「自分の海外留学の経験は就職活動に生かされていると思いますか」という設問に対して、「どちらかというとそう思う」を含めると89.3%、約9割の学生が、留学は就活のためにも役に立っているという意見です。
実際Kenさんは毎年、企業様をオンキャンパス・リクルーティング等々でアメリカに迎えて、日本人の留学生向けにイベントをなさっていますけれども、こちらのアンケートから何か読み取れるところありますか?

INOUE氏 まず企業に関しては、できたら海外大生を採用したいという企業から、どうしても採りたいという企業までいろいろありますけども、海外大生を採りたい企業は多いというのは確かだと思います。また、留学生の「就職に生かしたいか」という点に関しても、外国で、外国語を使って一生懸命勉強した自分を生かしたいというのが本音で、そういったところを評価してくれる会社を探しているところが背景にあると。

岡野 国内の学生と、就活のやり方も違うでしょうし、その前に普段、勉強で留学生はものすごく忙しいと聞きますけど、その点はいかがですか?

INOUE氏 本当、一日中勉強していて、夜中まで、図書館が閉まるまでずっと勉強しているというのが、普通なんですよ。少しでも休んだりとかテストが悪かったりとかするともう、単位が取れないとか、グレードがすぐ下がってしまうというようなことがあるため、ものすごい時間を勉強に費やしている。その反面、就活に費やせる時間もだいぶ限定的になっています。

岡野 去年のコロナの影響下で、留学生の就活については変化があると思うんですけれども、アメリカにいて、率直に感じているところはどこですか。

INOUE氏 今までの留学生の就活は、秋にあるボストンキャリアフォーラムの4日間で就職を決めるというのが一般的だったんです。

背景として、勉強が忙しく、日本に帰って説明会に出ることも物理的にできないから、短期間・合理的に就活を進めるというのが従来のやり方で。学生もボストンに標準を当てて、自己分析とか会社選びを秋までに何とか時間を作ってやっている。それで、4日間のボストンキャリアフォーラムで内定とか内々定までもらって終了するというのが、今までの形式でした。

ただ今回から、このボストンキャリアフォーラムがオンラインになったことでだいぶ変化がありまして。よく学生から聞くこととしては、就活のスケジュールがものすごく長引いたということなんです。
結局、企業の中には、やはり国内の学生との選考スケジュールに合わせてそのまま変更したところも多かったようで、そうすると、学生の負担もすごく増えてしまうんです。
ですので、希望するところとか、希望する仕事というよりは、その「負担」との調整をしながら選んでいかないといけないというところが、今年の変化だった。
マッチングの精度も今年は例年に比べるとものすごく落ちてしまった、ということがあると思います。

岡野 Kenさんのところでも、日本人留学生を集めて各大学で、就活についてのキャリアセミナーを開催されていたかと思うんですけど、昨年はそういうのはできなかったですか?

INOUE氏 そうですね、もう一切そういったイベントができなかったんです。今までは僕たちが学校に出向いて、「こういう会社さんがくるから参加してね」と一生懸命アプローチすることで、「今まであんまり興味なかったけれども、友達が行くから行くか」など実際に応募をする予定がなかった会社のセミナーに行って、「あ、こういういい会社もあるんだ」とか、そこでいろんな気付きがあって応募につながったり、いいマッチングにつながったりというのがあったんですが、もう今年はそれ、全くなくて。

もちろん、ボストンキャリアフォーラムに、オンラインで200社以上参加されていますから、そこで選んで応募していくということにはなるんですけれども、そうなると、自分が知っている会社だけに応募するかたちになってしまう。狭い選択幅になってしまって、学生からもあんまりいいマッチングが生まれない、企業からもこの留学生の熱意とかやる気が感じないとか、どんな道が合うのかわからない、というミスマッチに繋がっていったということが、今年は特に見られました。

宮澤氏 まさに我々は、偶然の出会いをこれまで重視して、そこからいかに我々の会社に興味を持っていただくかをやってきた会社ですので、Webを使って、ロケーションフリーで便利になったところもありますけれども、やはり対面で会うことのよさが、より身に染みてわかった1年だったと思っています。
ただやはり、今の世界の情勢を見ますと、そうすぐにはコロナ前に戻るということも期待できない中で、工夫してWebで、学生に対するPRができている企業の事例とかお持ちでしたら、ぜひ教えていただけたらありがたいと思います。

INOUE氏 はい。留学生が求めていることが何かということなんですが、国内学生との一番の違いは、留学生は一生懸命勉強するんですが、そのことも自分たちで選んでいるんですね。

例えば自分で、マーケティングやデジタルアナリティクスとか、コンピュータエンジニアリングを、専攻を選んで、それをひたすら勉強していくという背景があります。
あと、周りのアメリカ人も、殆ど自分の専攻分野での仕事を探していて、要するに職種別採用が一般的なんです。
ですので、留学生は自分がここまで頑張って、必死に勉強したことを、どうやって生かしたいか、生かそうかと考えるときに、「これだけ魅力に感じる会社なんだよ」というアピールよりも、「こういう職種があるよ」と、「こういうふうに活躍、自分が留学したことを生かせるよ」ということを言えると、留学生にも響くと思っていて。よく学生から聞くのは「どうしてこの会社は留学生を採用しているのかわからない」ということです。
これ、自分の学んだことをどうやって生かせるのかということが、やはり基準になっているということです。
事例としては「職種別での採用が可能ですよ」とか、「こういう海外経験が生かせるキャリアパスがありますよ」とか、会社によっては「優秀だったらグローバルリーダーシップコースにいけるよ」とかを、アピールされたりしていますので、こういった特徴をうまく引き出せるような採用の仕方ができてくると良いかと思います。

岡野 Kenさん、ありがとうございました。

海外大生の本音

岡野 それでは、ここからは、実際にカナダのバンクーバーに留学をしている学生、上野君をお呼びして、生の声を聞いていきたいと思います。
上野君は、カナダ屈指の名門大学であるバンクーバー大学(UBC)に入学され、現在、専攻はビジネスとコンピュータサイエンス。UBCは去年の世界大学ランキングで34位、ちなみに東大が36位です。上野君は理系になるのかな。

上野氏 そうですね、理系の括りになります。

岡野 卒業は来年、2022年の1月辺りを予定されていますか。

上野氏 今年の年末から来年の年始辺りに卒業することになると思います。

岡野 もう既に、友人が始めたスタートアップ企業で、エンジニア兼プロダクトマネージメントとして活躍されているということなのですが、実際に今は、就活はしていますか?

上野氏 はい、しています。ボストンキャリアフォーラムが終わったのですが、今、5月から8月にかけての夏のインターンを探して、あちらこちらで就活をしている途中です。

岡野 ちなみに今の就活状況を聞いてもいいですか?内定はいくつか持っていますか?

上野氏 内定は3つあったのですが、そのうち1つはすでに断っていまして。今の就活状況は、願書を出したところです。まだ向こうから返事もきていないです。

岡野 ちなみにその内定もらったというのは、もうかなり前ですか?

上野氏 2019年のBCFがきっかけで、インターンに参加して良い成績を残したのでもらった内定が2つと、BCFでフルタイムのオファーをいただいたものが1つあります。それで、計3つです。

岡野 3年生時のボストンキャリアフォーラムで内定取得される方は多いですね。上野君は日本の企業にも興味があるのですよね?

上野氏 もちろんあります。

岡野 では早速、宮澤さんのほうから上野君に質問をどうぞ。

宮澤氏 上野さんが就職先を決めるに当たって、どういったことを軸にしているか。少し漠然とした質問ですけれども、教えていただければと思います。

上野氏 私は自分のやりたいこと、コンサル系かエンジニア系で就活しようと決めていたんです。その2つに職種を絞って就活をしておりました。そこが基準ですね。

宮澤氏 日本の企業と、そちらの現地の企業といろいろ違うとは思うのですが、就職活動されるときに企業のどんな情報を求めていましたか?

上野氏 やはり、自分がそこで何をするのかという点は最初に気にします。そこに行って、どういったことが学べ、自分がどういうふうに成長できるのかというイメージを描けるかどうかを私は結構重要視していました。あとは、その会社にいる人の情報があれば、より良いかと思います。

こちらの学生は基本的にLinkedInを活用しているので、積極的な学生は、その企業に勤めている、例えば人事関係の人のLinkedInを探して、直接声をかけたりしています。そこでチャットをしたりして、その企業のことだけではなく、そこに勤めている方がどういった人柄で、どういうことをなされているのかを活発的に調査している学生は多いです。知名度とかももちろん気にしている学生もいますが、給与とか、そういったものは二の次になっている学生が、どちらかと言えば多いと感じています。

岡野 さっきインターンシップ先を探していると仰っていましたが、北米の企業だと長いんですよね。

上野氏 そうですね。基本的に4か月以上です。それ以下はインターンシップと呼ばないんじゃないですかね、こちらでは。

岡野 それだけの期間勤めれば、もうその会社の仕事も人となりも全部見えてくるということでしょうか。

上野氏 やはりそれぐらい働かないとわからないと思います。例えば、日本だと3日間だけのインターンシップがあると思うんですが、それだと本当に会社見学のような内容になってしまって、そこで実際に自分がどういうことを成せたのかとか、3日間で成せることが何もないですから、レジュメにも書けないですし。たぶん学生にとっても益がないと思います。4か月以上、あるいは8か月とか、中には16か月やる学生もいます。私もやはり長期のインターンを探しています。

岡野 宮澤さん、なかなか日本ではないですね。エンジニアのインターンシップでも、どれだけ長くても2週間とかでしょうか。

宮澤氏 そうですね。2週間だと日本では比較的長いという印象ですね。

上野氏 例えば日本人留学生はまた別ですが、特に地元の学生はそれが普通です。ですので4か月働いて、その会社で何を成せたかとか、そこにいた会社の人たちがどういう人たちだったかとか、そういったものを学べて、その上で自分のやりたいことと自分の将来設計、キャリアパスと比較して、就職先を決める学生が多いです。

あと、こちらの大学だと大学の勉強期間とは別に12か月会社で働くというプログラムがあるんです。プログラムの終了証明書発行には最低12か月の勤務経験が必要になってくるんです。例えば2年生の夏4か月働いて、さらに3年生の夏に4か月働いて、最後の4か月は、その学期を1つ休んで働いてようやく終了するというものになります。その過程で4か月、4か月、4か月で3社見れますし、中には、8か月取る人もいるので、そういった場合は2社になるのですが。そうした中で、本当に自分のやりたいことを見つけていく学生が多いように思います。

岡野 ありがとうございます。

海外大生が求める情報を届けるには

岡野 Kenさん、上野君のいるUBCには、本当にキレのある学生が集まっているのは私も以前から存じ上げていますけども、ビジネス系の留学生の方は、だいたい同じ傾向と捉えてよろしいでしょうか。

INOUE氏 優秀であれば優秀であるほど、そういったインターンシップをしています。今おっしゃっていたCOOPは、自分の経験としてやる学生もいるし、その中にもし自分に合う会社があったらそこに就職したいとか、こういう会社はちょっと違うとか、やはり、新卒で会社を決めるために、いろいろと見てみたいというニーズも満たせますし。

会社としても、ある程度の長い期間であれば、労力として助かるところもありますので、それは北米のインターンシップのあり方としての特徴です。国内の会社が留学生のインターンシップをする場合は、そこまで長くなくてもいいと思います。だから夏休みの期間、1か月でも1か月半でもできれば、結構お互いに知ることができるし、ボストンの4日間だけで内定出すのはちょっと怖いという場合は、夏休みの期間にインターンシップをしたいという留学生もたくさんいますから、インターンシップでお互いを見計るというのは、とてもいい手段だと思っています。

岡野 6月から休みに入る正規留学生は多いですけれど、その情報はなかなか彼らの元には届かないし、届いていたとしても選んでいただけないというところが現状なんでしょうかね。

INOUE氏 そう。結構そこはミスマッチングの一つなんですけど、ボストンキャリアフォーラムに3年生で行く人が多いんですよ。それで、3年生だと選考は受けられない場合もあるんですけども、学生としてはやはり、その来年の本番の準備として行きたい人と、あとはインターンシップを探しに行くんですよね。ただ、ボストンキャリアフォーラムに出ている会社で、インターンシップをそこで募集するのも、まだ多くないので、それができるとものすごくお互いのニーズにマッチしていくかと思います。

岡野 一つのヒントが、海外大生向けのインターンシップ、というのは今、出ましたね。
あの、上野君は勉強以外で、JCA(ジャパンキャリアネットワーク)、日系企業のキャリアサポートで副会長兼渉外担当も務めていらっしゃったとか。一昨年、学校にくる日系企業のセミナーの誘致もやっていたんですね。

上野 そうです。日系企業の誘致ではコンサル系と商社が一番多かったんです。PwCとかEYだとか、あと三菱商事とか、そうした会社をUBCまで誘致して、そこで選考会、セミナー、あとはネットワーキングイベントを開催していました。去年は全くなかったんですけど、一昨年まではそういったイベントは盛んにやっていました。

岡野 去年の秋はなかったのね。

上野氏 秋はなかったですね。本当に。全てオンラインになってしまって。オンラインだとあまり人も集まらないんじゃないですかね。

岡野 チャットから上野さんに質問がきているので、よろしいですか。
「就職にあたり、一つの企業に勤め続けてその中で経営者を目指したいのか、スキルを磨いていろんな会社を渡り歩いて成長し続けていきたいのか、どういった思考でしょうか」。

上野氏 これたぶん、殆どの留学生がそうだと思うんですけど、終身雇用を望んでいる学生は一人もいないんです。
おそらく、長くても5年ぐらいで転職という方が多くて、一つの企業でずっと勤め上げるというのは考えていない学生が多いと思います。いろんなスキルを磨いて、いろんな会社を渡り歩いていって、最終的には、意欲が高い子だと自分で起業したいという人もいますし、あとは、少し働いてから大学院を目指したいという子もいますね。ですので、後者のほうだと思います。

岡野 Kenさん、8か月とか1年間の交換留学している学生も、彼らに影響を受けているわけですね。

INOUE氏 多少ですね。交換留学は1年ですから。だから上野君みたいにアメリカ人的思考ということはないかもしれないです。

上野氏 正直ないと思います。やはり交換留学生は来ますけど、殆どの学生が一緒にきた子たちで固まるんですよ。だから、交換留学の意味があんまりないような気もしていて。

INOUE氏 基本的なところが、上野君みたいな状態にはならない場合が多い。

上野氏 ならないと思います。ちょっと遊びに行くみたいなかたちになるんじゃないでしょうか。

岡野 私も過去に西海岸の大学、8大学ぐらい、オンキャンパスを回らせていただいて、中西部や東海岸も行きましたけど、大学によってカラーも違うし、知名度のある企業を受けたいという方も一定数いると思っていいですか。

上野氏 そうですね。私の周りの学生だと、成長性だとか中身とか、あと会社に勤めあげている人を重視して就活している人が殆どだったんですけど、この前UCLAと合同でイベントしたときに聞いてみると、知名度もやはり重要だと。自分が何をやりたいかもわからないし、会社に入ったあと、どういった仕事をするのかもわからないという、情報が全くない状態で就活するならば、やはり知名度で選んでいく学生のほうが多いかなとは思います。

岡野 どうしたら、なかなか届かない情報を、このコロナ禍で届けていくかというところですけど。Kenさん、どうですか?

INOUE氏 先ほど言ったように、会社の素晴らしさを伝えるよりは、「こういう仕事ができるよ」とか、職種別とか。
あとは「こういうキャリアパスがあるよ」「こういう留学経験が生かせるよ」というようなメッセージを伝えられたらいいと思いますし、もし来年のボストンキャリアフォーラムがオンラインではなくて対面で行われば、「ブースで誘われたから話聞いてみようかな」ということになってまた学生との接点も増えていくかとは思いますけど。

上野氏 補足なんですけど、BCFに参加しているだけじゃ、届かないとも思うんです。やはり一番人気なのは商社とコンサルなんです。
何故かと言ったら、例えばJCAを通じて積極的に大学で誘致をかける、選考会を開く企業もその2つが多いんです。となると、BCFだけではなくて、大学に直接アプローチを、LinkedInでもいいですし、私のJCAのような、キャリアサポートのクラブは基本どの大学でも必ずありますので、そういったところに直接、話を持っていくのが一番手早く広げる方法かとは思います。

岡野 はい。そこのハブになってくれるのがKenさんだということですね。

上野氏 そうですね。はい。

岡野 上野君はビジネス系じゃないですか。そういった方は上位校には多いかと思うんですけど、アーツ系だとちょっと違うんでしょうね、企業に対して。

上野氏 アーツ系だと全然違いますね。ビジネス系だと周りのローカルにいる現地学生に感化される子が一番多いんです。それでローカルの子は、それこそ1年生の頃から積極的にLinkedInを使って就活しているんです。そうした子が周りにいる状況で、例えば3年生から4年生になるまで何もしないという学生は殆どいなくて、だからビジネス系の日本人留学生は情報収集も早いですし、積極性も、ちょっと他のアーツとは比べ物にならないぐらい、一つ上にいるとは思います。

岡野 もう一つ質問を。
「以前まではボスキャリなどのイベントのタイミングで短期集中、合理的に就活するのが主流だったと思いますが、今後は長期間でオンライン選考を実施する企業が増えてくると思います。ある意味、メリハリがない状況下かと思いますが、海外大生として年間を通じて時間を割いて就活できるベストタイミングはいつ頃でしょうか。年中勉強で忙しいでしょうか」。

上野氏 そうですね。でも夏は、比較的休みがあるので、大学によってもまたちょっと違ってくるんですけど、私の大学ですと5月から8月まで、4か月休みなんです。基本的にこの4か月何もしないという学生はいないので、夏期講習取ったり、あるいはインターンしたりという学生が多いです。
勉強がないという意味では、この夏休みの期間が一番、狙い目かとは思います。そうですね、勉強とかぶらないという意味では夏ですし、夏にインターンしたい学生はその前に就活するので、やっぱり1月とかその辺りが狙い目になるかとも思います。

岡野 正規留学生は5月に帰ってまた9月の中旬ぐらいに現地に戻ってくるっていうのは結構ポピュラーなんですか。

上野氏 多いと思います。丸々4か月休む学生は結構少ないと思うんですが、例えば2か月夏期講習取って、2か月だけ休んでまた9月に戻る学生もいますし。やはり夏に何かしたい学生はその前に就活をするので、1月から3月あたりが狙い目になるんじゃないでしょうか。この1月から3月の機会にいろいろと放り込んであげると、学生のアンテナに引っかかるんじゃないかなと思います。

INOUE氏 でも1月から4月はタイミング的にはいいんですけれども、逆に学生のインターンシップとか就活に対しての熱が、冷めきっている時期ではあるので、できれば3年次のボストンキャリアフォーラムでもうインターンシップをオファーして、夏休みにやって、次のボストンキャリアフォーラムで決めるとかというのが、一番わかりやすいかなという気はします。

上野氏 そうですね。私もそれでした。3年生のときに行って、でもその3年生でフルタイムというのはあまり手に入らないので、まずはインターンを探しに。あとは経験、BCFの雰囲気とかを掴むために、BCFに参加したという経緯で。そういう学生は周りにはたくさんいたので、そうした学生はやはり夏のためのインターンをゲットして、そこでインターンをやって、4年生になったらもう一回本番のBCFをやって、それで就活は終わり、という学生が殆どでした。

岡野 正規留学生の場合はものすごく目的意識を持ってボストンキャリアフォーラムに参加しているんですね。

上野氏 そうですね。

岡野 伝わってきました。貴重な意見を上野君、ありがとうございました。
Kenさん、ここまでお話伺ってまいりましたけども、ずばり、海外大生採用に重要なことは何だと思いますか?

INOUE氏 上野君にお話いただいたように、やはり留学生は国内学生と求めているものも、やり方も、全く違っているので、そのニーズにどれだけ対応できるかが鍵ですよね。例えば対応スケジュールとか、海外大生用のインターンシップを用意するとか。職種別採用をやってみるとか。人事の方に負担がかかるようにはなりますけども、これがどれだけできるかが、海外大生の採用につながってくると思います。

岡野 では、視聴者代表の宮澤さんに、今日のご感想をいただけますでしょうか。

宮澤氏 はい。もちろん語学力だけではなくて、海外の留学生の方々は、自ら積極的にやられていて、かつ、それを今後の自身のキャリアパスにどう生かしていくのかをすごく考えていると伝わってきました。
企業としても、工夫のし甲斐があるところだと思っていますので、日本生命としても、今後、海外に留学されている学生のお役に立てるようなかたちで接点を作る機会を設けていきたいと思います。上野さんのお話も大変刺激になりまして、ぜひ日本生命にきてほしいなと(笑)、いうふうに思うんですけども。

岡野 (笑)オファーですね。

宮澤氏 はい(笑)。今日視聴いただいている企業の方々の、今後の採用活動に少しでもお役に立てればよかったと思います。ありがとうございました。

岡野 宮澤さん、ありがとうございました。私自身も、やはり採用がゴールじゃなくて、そのあとの「どう育成するか」とか「どう成長してもらいたいか」というところを学生に具体的にイメージできるような環境を整えるということも必須なのかと改めて感じた次第です。
では、以上を持ちまして、WORKS REVIEW『グローバル採用の新時代』―コロナ禍での海外大生の実態に迫る―を終了いたします。